日本財団 図書館


 

4.3.6 新エネルギーコンセプト
生体内では生命活動を維持するために極めて高効率でエネルギー変換が行われている。しかもそれらのエネルギー変換は常温常圧で行われている。いったいこのような高効率はどのようにして達成できるのであろうか。
例えば、プロトンエネルギーは、ATPとして蓄積され、この化学反応によって機械的エネルギー、光、音などあらゆる仕事に変換されている。したがって、これまでに見てきたように、発電や発光、あるいは筋肉の収縮の例に見られるように輸送およびエネルギー変換時に各種のエネルギー損失を大幅に低減させることが可能なエネルギーとなる。
また、生体内でみられる分子機械はミクロな機械で、それが取り扱うエネルギーも小さい。分子機械が入力、出力として扱うエネルギーは熱揺らぎと大差のない極めて小さなエネルギーである。これらを有効に活用するためのミクロな要素が異方的に働く協同現象などが見られる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION